デスクトップ仮想化 (VDI) - 日本に適した製品は? (3)
(この記事は私が実案件を通して感じた VDI の実情ですが、個人的主観も含みます)
更に日を開けてしまいました。
前回、View Composer や XenDesktop の PVS Private Mode は「少なくともCドライブが特定のタイミングで初期化されてしまう」ため現実として厳しい、と説明しました。
これに対する、VMware と Citrix 各社のカウンターメッセージは下表の通りです。
VMware Composer | XenDesktop PVS Private Mode | |
---|---|---|
ユーザープロファイル | 移動ユーザープロファイル or UDD | 移動ユーザープロファイルのみ |
マイドキュメント | フォルダリダイレクト or UDD | フォルダリダイレクト |
アプリケーション | VMware ThinApp で対応 | Citrix XenApp で対応 |
移動ユーザープロファイルの恐怖
まず 「移動ユーザープロファイル」 ですが、実際に構築を行わないベンダーはまだしも、今時移動ユーザープロファイルの利用を本気で "推奨" してきた場合、構築実績や運用経験を怪しむべきだと思います。
移動ユーザープロファイルとは、ログオン時にユーザー固有のプロファイルを NAS → PC に読み込み、ログアウト時に PC → NAS へ一括アップロードする機能です。どの PC 環境でも自分のプロファイルを利用できるため、一見素晴らしいと思われがちですが、、、
一度構築・運用してみれば分かります。移動ユーザープロファイルは設計上色々と問題があり、トラブルの原因であるため、まともな SIer や PM は恐ろしくて提案しません。
いくつか例をあげると...
- 出社時間帯になるとネットワークが集中・混雑し、ログインに15分以上も掛かる
- 突然のフリーズや電源断・ネットワーク断などにより、PC を正常にログアウト(NASへの書き戻し)できなかった場合、当日の作業内容はすべて消えてしまう
- 一人のユーザーが複数の PC を同時に利用すると、先にログオフして書き戻したプロファイルは後にログオフしたデータによって上書き・消失してしまう
ネットで少し調べてみても、恐怖を促す内容がヒットします。
- 移動ユーザー・プロファイルがエラーとなり初期状態のプロファイルでしか起動しない - ITpro
- ユーザープロファイルの管理とその課題 - The Citrix Blog
- XenApp 5.0におけるユーザープロファイルの最適な設計方法 - Citrix Knowledge Center
そういえば、Citrix の User Profile Manager (UPM) ってどうなんでしょう?
日本で使っているお客様見たことないんですが、、、そもそも、Technical Preview は外れたのでしょうか...
ちなみに、View 4.5 で予定されていた同等機能 (Persona) は、結局延期になったようです。