VDI のシングルイメージ技術と移動ユーザープロファイル
SE として個人的にですが、私は Citrix PVS や VMware View Composer といった VDI のシングルイメージ技術はあまり好きではありません。
これは、C:\Program Files や C:\Windows などが ReadOnly 状態になってしまうことで、VDI の魅力である「アプリケーション互換性・柔軟性」が下がってしまう ためです。
といっても、管理性が向上するのは確かですので、
シングルイメージ技術を要求するお客様にはご提案差し上げるのですが、
どうしても提案したくないのが「移動ユーザー・プロファイル」です。
移動ユーザー・プロファイルの恐怖 でも書きましたが、
移動ユーザーには元々「ログオン時間」と「データ消失」「アプリ互換」の問題があり、これを VDI でやろうとすると更に「PCレスポンス」の問題が加わります。
- 業務時間への問題
- ログオン・ログオフ時間が延びる(いわゆる朝9時問題)
- データ消失の問題
- 正常にログオフできなかったり、多重ログオンするとデータが消失する
- 操作性能への問題
- 仮想環境でネットワーク・ディスク I/O が増えると...
- アプリ互換の問題
- %USERPROFILE% 領域以外に個人設定を保存するアプリは利用不可
- MS Outlook が利用できない
フォルダリダイレクションで大丈夫!という方もいらっしゃいますが、
「デスクトップ・フォルダ」をリダイレクトすると様々は処理が重くなりますし、逆にデスクトップを移動ユーザーに含むと、デスクトップにファイルを溜める人からログオンが遅いとクレームが来るでしょう。(もちろん、デスクトップの使い方まで変更を迫れるほど情シスの立場が強ければよいですが...)
シングルイメージを使いつつ、移動ユーザー・プロファイルは使わない
View Composer や PVS を使いつつ、
移動ユーザー・プロファイルを使わない方法もあります。
ただ、最近は色々な機能が出て混乱しがちですので、表にまとめてみました。
VMware View 5.0 | Citrix XenDesktop 5.5 | |
---|---|---|
移動ユーザーのリスク軽減技術 | View Persona Management (View 5.0〜) |
Citrix Profile Management (2009年頃〜) |
ファイルサーバーすら使わず、移動ユーザー無しで運用できる技術 | View UDD (2009年頃〜) |
Citrix Personal vDisk (次期バージョン〜) |
Microsoft については、
次期 Windows Server 8 で「View UDD」と同じ方式を採用すると聞いています。
「Citrix Profile Management」は日本では実績がほとんどないと聞いて残念ですが「Personal vDisk」には期待しています。性能にインパクト無ければ良いなぁ。。。