仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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移動ユーザープロファイル + IBM Notes は?

前回、移動ユーザー・プロファイルと MS Outlook の相性問題について書きましたが、同じグループウェア系メールクライアントである IBM (Lotus) Notes はどうなの?」 と質問いただきました。

Notes と言えば 「C:\Windows に設定ファイル (notes.ini) を残す」 と、Outlook 以上に移動ユーザー環境を意識していないアプリですが、
色々と調べたところ、どうやら バージョン 8.5.1 以降の Notes クライアントであれば安心そう。

IBM KB 1463693
Lotus Notes クライアントの複数ユーザー設定をインストールする際に、データディレクトリの場所を指定することができない

Lotus Notes 8.5.1 より、MULTIUSERBASEDIR や MULTIUSERCOMMONDIR プロパティを使用した、カスタムデータディレクトリがサポートされています。
この機能の拡張要求は、問題報告番号 KTOT5G3MQZ として Lotus Quality Engineering に報告されていますが、Lotus Notes 6.5.x / 7.x / 8.0.x での機能変更は計画していません。

http://www-304.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21463693

Notes 8.5.1 から 「マルチユーザーインストール」 がサポートされたらしい。

IBM KB 1466461
Lotus Notes 8.5.1 を Citrix XenApp 5 にインストールする手順
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21466461


それ以前のバージョンでは、技術的に以下の方法で回避できそうですが、どちらも「Citrix Presentation Server」「MetaFrame」用とあります。
このため、XenDesktop や他社製品、また移動ユーザー・プロファイル環境を IBM にサポートしてもらえるかは不明です。なぜなら、Outlook と同様に、共有フォルダ上に置いてネットワーク越しに読み書きすることを意識していないファイル構造かもしれないからです。

IBM KB 1462990
Citrix XenApp (Presentation Server) 上に Lotus Notes 8.0.x および 8.5 をインストールするためのステップ
http://www-304.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21462990

IBM KB 1466555
Citrix MetaFrame サーバー上に Lotus Notes 6 または Lotus Notes 7 をインストールするための基本ステップ
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21466555

やっぱり移動ユーザー・プロファイルは提案したくない

というわけで、非常に脆い 設計で、かつ著名なグループウェア・メールクライアントが使えない移動ユーザー・プロファイルは、やはり提案を控えたい気持ちです。
このことを話すと、「壊れたらバックアップから戻せば良い」と、平気で移動ユーザを提案している SIer 様も多く、もしかしたらハードウェアが専門ということもあって、私が "データ消失" に固執しすぎているだけかもしれません。。。


昨日、別件で Citrix Personal vDisk (RingCube) について調べていたら「マスターが変わっても差分が保持される」と、常識では考えられない仕様(良い意味で)と聞いてとても期待しています。安定して動いて性能も出るなら、VMware View に傾いている最近の引き合いが、また逆転するかもしれないですね。