VMware で Windows Server 2012 の新機能は使える? - (2) ODX
ずいぶんと時間が空いてしまったうえに、
Windows Server 2012 R2 の RTM ビルドも公開されて始めてますが、「WS2012 で追加された仮想化連携機能は Hyper-V 以外でも使えるのか?」
の第 2 回です。
第 1 回:Windows Server 2012 の AD 仮想化機能は VMware でも使えるか?
今回は、以前紹介した画期的な新技術 ODX (Offloaded Data Transfer) が VMware 環境でも使えるか?? について書きたいと思います。
ODX について
ODX の詳細やその効果につきましては、以前の記事 をご参照ください。
要は vSphere の VAAI XCOPY プリミティブの Windows 実装で、
SCSI を策定している T10 委員会で規格化された SCSI v3 コマンドを利用して、
ファイルコピー処理をストレージ側に任せてしまう技術です。
なお、ODX のことを“アレイベース LUN コピーとの連携”と誤解されているケースもありますが、そうではなく、LUN の中のファイルシステム上にあるオブジェクト、つまり「ファイル」単位でアレイ側にコピーを指示できるところが特徴です。
vSphere で ODX を使うには?
鋭い方はもうお分かりになったかもしれません。
ODX はストレージへの命令を SCSI コマンドに載せて送りますので、
vSphere の仮想マシンから LUN に対して SCSI コマンドが通れば OK。
vSphere の仮想マシンで WSFC を組むことを思い出してください。
WS2008 以降の WSFC は SCSI SPC-3 のコマンドで LUN に対して直接 Reservation を掛けることが要件になっており、このため複数の ESXi ホストにまたがる場合は 物理互換の RDM (raw device mapping) で構成する必要があります。
そう、つまり、、「物理互換 RDM」 にすれば、
ゲストの発行した ODX 命令*1 がストレージに届くため、ODX ができるはず!
実際に試してみました
次のような環境を用意。
C: VMFS D: VMFS E: RDM Physical F: RDM Physical
デバイスマネージャーではこんな感じ。
ODX 対応ストレージは "タイガース柄" でおなじみのものを使いました。