仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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AD ドメインコントローラーと同居できないアプリ - (2) vSphere Client 5.5

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(1) (2)

vSphere 環境の管理コンソールは、
従来からの Win32 (C#) 版 vSphere Client から
ブラウザベースの vSphere Web Client に移行していることはご存じのとおり。

現行バージョンである vSphere Client 5.5 は、起動時に下記のような警告メッセージが表示されることに気づかれた方も多いと思います。



起動画面の警告表示のほかに、vSphere Clinet 5.5 では Active Directory
ドメインコントローラーマシンへインストールができなくなりました。

インストールしようとするとエラー終了してしまいます。

つまり、vSphere Client 5.5 はインストール要件が厳しくなったのです。



VMware KB 2060849
Installing the vSphere Client in a vSphere 5.5 environment fails with the error: vSphere Client cannot be installed on a Domain Controller
http://kb.vmware.com/kb/2060849

環境チェックを回避する方法

vSphere 5.5 のインストール環境のチェックは下記のとおりです*1

  • Installed
  • MsiNTProductType<>2 And VersionNT > 501
  • MsiNTProductType<>2 And VersionNT = 501 And ServicePackLevel >= 2
  • SKIP_OS_CHECKS="1"


したがって、回避する方法は非常にシンプル。次の引数を渡すだけです。

VMware-viclient.exe /VSKIP_OS_CHECKS="1"


この引数を付けてインストーラーを起動すると、先ほどの環境チェックが実施されないため、ドメインコントローラーに vSphere Client 5.5 をインストールできます。





最近は仮想アプライアンスの浸透により、OS コストの掛かる Windows Server はインフラの世界で少しずつ減っているような気がします。PoC などの検証環境では、AD 1台しか Windows OS が無いケースもあり、覚えておいて損はないと思います。

もちろん、本番環境では利用しないようにしましょう。

*1:2014.9.3 追記