仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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Windows Server 2016 - Switch Embedded Teaming の構築手順 (1)

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前回 話題に挙げた、WS16 の新機能「Switch Embedded Teaming」(略して SET)について、本番環境に適用できるか実機調査する機会があったので、詳しく触れてみたいと思います。

環境準備

最新モデルの x86 サーバーに 20Gbps NIC を2ポート用意。
但し、対向のスイッチがまだ 10G なのでどちらも 10Gbps でリンクしています。


なお、重要なポイントとして、
こちらの図と同じく LBFO でチームを組んではいけません。またスイッチ側についても LAG (Link Aggregation) は設定しないでおく 必要があります。

Hyper-V の有効化

この状態で Hyper-V をセットアップします。


仮想スイッチは SR-IOV や SET の有無で内部動作が大きく異なり、後からモード変更することはできません。このため、ウィザードで問われる仮想スイッチの自動構成は行わないでください。


SET 仮想スイッチの構築

Hyper-V インストール後、手動で仮想スイッチを作成します。
SET 対応の仮想スイッチを作るには PowerShell か SCVMM 2016 が必要です。
ここでは SCVMM が無くても行える PowerShell で行いたいと思います。

SET 仮想スイッチの作成:
New-VMSwitch -Name "<仮想スイッチ名>" -NetAdapterName "NICアダプタ名>" -EnableEmbeddedTeaming $true

※ -EnableEmbeddedTeaming が SET モード有効を意味します

SET 仮想スイッチのアップリンクポート追加・削除:
Set-VMSwitchTeam -Name "<仮想スイッチ名>" -NetAdapterName "NICアダプタ名>","NICアダプタ名>"

※ 再構成を指示しますので、既に追加済みのアダプタも再記述する必要があります

SET 対応の仮想スイッチの設定内容確認:
Get-VMSwitchTeam -Name "<仮想スイッチ名>"

※ -verbose は付けても付けなくても変わりません

実行例

LBFO の時もそうですが、リモートデスクトップで作業している場合は、
一旦ログオフして iLO といった Out-of-Band ポートから行うことを忘れずに。


※ クリックすると拡大します


この後、ダウンリンクポートのアサインに入っていくのですが、
Get-VMSwitchTeam の結果にも着目してみましょう。

  • TeamingMode = SwitchIndependent(スイッチに依存しない)
  • LoadBalancingAlgorithm = Dynamic(動的)


これは LBFO Teaming の時も登場した パラメータです。


LBFO では専用の GUI で設定できましたが、
SET で LAG や LACP を構成したい場合にはどうすれば良いでしょう?
分散アルゴリズム「Port ID」「Dynamic」とどちらにすべきでしょうか?


長くなったので、この辺りはまた 次回