仮想化でプリセールスしてるSEの一日

VMware から Azure まで、インフラや仮想化の最新情報をベンダー色をできるだけ抑えて綴っていきます

ESX のメモリ・オーバーコミットの驚異的な効果

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サンフランシスコではいま VMworld が開催されています。VMware vCloud Director (Redwood) の発表もありますが、日本語環境ではまだ動かないのでもっと日本寄りな話。


ブレイクアウトセッションでは
MUFG の情シスの方が View の導入事例を発表しているようです。

[VMworld 2010] 三菱東京UFJ銀行が「デスクトップ仮想化」事例を講演 - ニュース:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100902/351679/


この記事で興味深いのは、下記の部分です。

稼働後に行った性能検証から、仮想化デスクトップのシステム特性も分かってきた。
「サーバーの平均CPU使用率は通常時が70%程度。朝のログインと晩のシャットダウン時は負荷がピークを迎え、85%に達する。一方、メモリーには余裕があり、ピークでも40%から45%で済んでいる」(徳永 上席調査役)。
こうした結果から現在、サイジングを見直している最中だ。
「最新サーバーであれば、1台当たりの仮想マシンを120台ぐらいまで増やせそうだ。モリーは96Gバイトから72Gバイトに減らす」。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100902/351679/


モリーを 96GB 搭載して最大 100VM 集約できるように構成したが、ESX はメモリシェアリングによるメモリーオーバーコミットによって半分以上も消費されていない。逆をいうと、メモリ容量の半分以上がページシェアリングによって重複排除されている ということになります。

驚くべき結果ですので、自分の環境*1仮想マシンがどれくらいページシェアされているか確認してみました。



1GB のうちの約 700GB が共有ページで、ユーザーの占有のページは 350GB くらいしか消費していないようです。VDI の運用は、皆同じOSですし、Office など同一アプリを使うのがほとんどですのでページシェアが特に効きやすいんだと思います。

vSphere 4.1 ではメモリオーバーコミットが更に強化

今年の仮想化大全に詳しく書いているのですが、
ESX 4.1 ではメモリのオーバーコミット機能が強化されています。
ページを圧縮することで、より多くのメモリを動かすことができそうです。
VDI のシナリオで更に強いポジションを得られるのではないかと思っています。

*1:2010.9.15 View 4.5 / ESX4.1 の画像に挿し換え