VMware vExpert 再受賞と、かなりディープな技術書の翻訳
ファイルサーバー最適化 など、目的を忘れかけているこのブログですが、日々たくさんの方々に読んでいただいているおかげで、今年も VMware 社より「VMware vExpert 2013 - Evengelist」を受賞させていただきました!
本当にありがとうございます。
VMware - vExpert 2013 awardees announced
http://blogs.vmware.com/vmtn/2013/05/vexpert-2013-awardees-announced.html
日本ではハードウェアベンダー・大手 SIer を中心に 20 名強が受賞している vExpert ですが、その中の 1 人の方の呼びかけにより、
「中の人が愛用している技術書を翻訳しよう!」ということになりました。
VMware vSphere 5.1 Clustering Deepdive(今回翻訳した原本)
Author: Duncan Epping, Frank Denneman ASIN: 1478183411
なぜ自分達で本を書かずに、翻訳なのかというと、この本は VMware の開発サイドの方が書いており、社外の人間は知り得ない開発仕様・アルゴリズムが解説されている本だからです。どんなに詳しくても、製品の開発仕様書を読める立場ではないので、次のようなブラックボックスな部分は解説しようがありません。
- VMware HA はいったい何秒で自動切替されるの? ○○障害の場合は?
- 障害検知に遅れた場合、次回のポーリングはどんな方法で何秒後?
- 異なるバージョンで HA クラスタは組める? 挙動は?
- NFS や iSCSI ストレージならではのスプリットブレインのリスク
- メモリオーバーコミットは、どのくらいからディスクスワップになる?
- 重複排除機能のあるストレージを使う場合に VMware 側で必要な設定は??
Windows の WSFC をイメージすると分かりやすいですが、x86 系の HA 製品は内部処理プロセスがほとんど開示されていません。しかし、大規模な仮想化基盤は UNIX → Linux のダウンサイジングが絡んでいることも多く、「障害時の切替時間」や「復旧時間がブレる要因」について提案書内での記載を要求されます。
エンタープライズの仮想化案件で、どこも VMware しか提案してこないのは、
こういった可用性関連の情報開示量の差も 1 つの理由と感じています。
- 作者: Duncan Epping,Frank Denneman,ダンカン・エッピング,フランク・デンネマン,小川大地,後藤僚哉,清水亮夫,三田泰正
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/07/24
- メディア: 大型本
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今回の翻訳者・査読者・コラム執筆者は vExpert が中心ということもあり、
Cisco, HP, IBM や大手 SIer など、普段はコンペにある各社主管部門のメンバーが連携したところも見どころです。
ぜひ書店でお手に取ってみてください!(ステマ
2013.07.28 追記
Amazon で1位になったとのこと、ありがとうございます!
中身を見に行くのが面倒な方は 目次一覧 立ち読み を活用ください。