仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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Windows Server 2012 Beta でサーバー用 SSD の性能を測ってみた

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明日、都内で Windows Server 2012
System Center 2012 のイベントがあり、
急遽 1U サーバーをセットアップ。
手元に届いたサーバー HP ProLiant DL360p Gen8 には 「サーバー用 SAS 規格 SSDが入っていました。

内蔵 SSD は PCIe 直結型の ioDrive と比べて飛び抜けた価格でもなく、
Citrix PVS や VMware View Linked Clone*1 といった VDI のゴールデンマスタの格納場所として鉄板ということもあり、軽く性能測ってみました。


HP ProLiant Gen8 サーバーに Windows Server 2012 Beta をインストール

従来、ProLiant サーバーに OS をインストールする場合は SmartStart CD といった「OS インストール支援 CD」を使いました。Gen8 サーバーには、こういった CD は不要になっており、POST 画面で F10 を押すだけ。(Intelligent Provisioning

Intelligent Provisioning での OS セットアップ・ウィザードでは、最初に「サーバーの省電力設定」を聞かれるので設定し忘れることはなさそうです。
今後は 仮想化サーバーでの性能トラブル が減ってきそうで一安心。



下記のサイトで、Windows Server 2012 Beta 向けの ProLiant サーバー・セットアップガイドや PSP(ドライバ・管理エージェント集)が公開されています。

Microsoft Windows Server 2012 and HP ProLiant Servers
http://www.hp.com/go/ws2012

サーバー用 SAS SSD のパフォーマンス


イベント用機材だったので本格的なベンチマークは取れませんでしたが、PC 用 SSD の性能測定で一般的な「CrystalDiskMark」で測ってみました。


HP ProLiant DL360p Gen8
Unit Size1U
CPUIntel Xeon E5-2670 2.6GHz ×2CPU (16Core)
RAM64GB PC3-12800R
RAIDSmart Array P420i + 2GB Cache (PCIe 3.0)
Drive C:200GB 6Gb MLC-SAS SSD ×2 (RAID1)
Drive D:900GB 6Gb 10k-SAS HDD ×6 (RAID10)
OSWindows Server "8" Beta Japanese


まず最初に SSD のパフォーマンス

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CrystalDiskMark 3.0.1 x64 (C) 2007-2010 hiyohiyo Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s] Sequential Read : 1411.695 MB/s Sequential Write : 1268.119 MB/s Random Read 512KB : 3072.239 MB/s Random Write 512KB : 3066.788 MB/s Random Read 4KB (QD=1) : 115.446 MB/s [ 28185.1 IOPS] Random Write 4KB (QD=1) : 109.791 MB/s [ 26804.3 IOPS] Random Read 4KB (QD=32) : 438.294 MB/s [107005.5 IOPS] Random Write 4KB (QD=32) : 434.418 MB/s [106059.0 IOPS] Test : 1000 MB [C: 11.3% (21.0/185.9 GB)] (x5) Date : 2012/05/29 10:41:27 OS : Windows NT 6.2 Datacenter Edition (Full installation) [6.2 Build 8250] (x64)

32 Queue Depth 時の IOPS が 10 万と、公表性能を超えており「?」と思ったのですが、今回の内蔵 RAID コントローラーはキャッシュを 2GB 積んでいることを思い出し、1GB のデータサイズではオンキャッシュになってしまうようです。


キャッシュを溢れさせるためにデータサイズを 4GB にしてみました。

           Sequential Read :   844.519 MB/s
          Sequential Write :   310.551 MB/s
         Random Read 512KB :   507.937 MB/s
        Random Write 512KB :   542.247 MB/s
    Random Read 4KB (QD=1) :    12.546 MB/s [  3063.1 IOPS]
   Random Write 4KB (QD=1) :   104.207 MB/s [ 25441.2 IOPS]
   Random Read 4KB (QD=32) :   113.893 MB/s [ 27805.9 IOPS]
  Random Write 4KB (QD=32) :   141.405 MB/s [ 34522.8 IOPS]

  Test : 4000 MB [C: 11.2% (20.8/185.9 GB)] (x5)


ちなみに SAS HDD ×6個 (RAID10)・キャッシュ超過時はこんな感じです。

           Sequential Read :   229.184 MB/s
          Sequential Write :   479.239 MB/s
         Random Read 512KB :    65.310 MB/s
        Random Write 512KB :   493.755 MB/s
    Random Read 4KB (QD=1) :     1.073 MB/s [   261.9 IOPS]
   Random Write 4KB (QD=1) :    26.423 MB/s [  6451.0 IOPS]
   Random Read 4KB (QD=32) :    12.013 MB/s [  2932.8 IOPS]
  Random Write 4KB (QD=32) :    25.000 MB/s [  6103.5 IOPS]

  Test : 4000 MB [D: 1.2% (29.4/2514.9 GB)] (x5)


まだ Beta なのでこなれてないせいか、少し変な値もありますが、MLC でも十分良い感じですね。これ以上細かなデータは iometer とか使って Read/Write 比率やブロックサイズパターンを考えながら本格的に測定しないとダメそうです。

予想以上だったのは RAID コントローラーの 2GB キャッシュでした。通常のアクセスパターンでは 2GB のキャッシュが溢れることは稀なので、VDI のマスタイメージはもちろん、一般の I/O であれば非常に効果的。こちらは実売 5 万円くらいなので、SSD / HDD に限らず 2GB 付けておいた方が絶対に良いです。


、、、というわけで、明日の イベント ではこんな 1U サーバーを展示しています。

*1:Linked Clone で使う場合は、サーバーに P4000VSA のような iSCSI OS を載せて SAN ストレージ化する必要あり