仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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VDI のマスタを Fusion-io に置くと、どのくらい速くなる?動画

SSD が非常に安くなりました。「SSD アップグレード無料キャンペーン!」なども目にするようになり、Ultrabook 効果も相まって家庭や企業の一般 PC でも SSD が広く普及しています。

こうなってしまうと大変なのはユーザーの期待値。
「いま検討中の VDI は、もちろん SSD 並みの性能だよね?」
と、ディスク性能のベースラインを大きく上げられてしまったのが実情です。


この流れで困るのが、ディスクがボトルネックで知られる VDI。
特に、VMware View Composer や Citrix PVS などの「シングルイメージ技術」を使う際には、ディスクのスピンドルバランスに注意が必要です。

View などは最近メモリキャッシュ機能も付いて、ある程度抑え込めるようになりましたが、先の SSD 話でユーザーは更にその上を要求してくる...


こんな課題の解決法の1つが「Fusion-io」のような超高速半導体ストレージの活用。



  • Fusion-io: HP OEM Fusion-io ioDrive2 365GB + StoreVirtual VSA (iSCSI-SAN 10Gb)
  • HDD: 15Krpm SAS ×12 (iSCSI-SAN 10Gb)
  • VMware View 5.1, Linked Clone, Host-cache enabled


HDD ベースの SAN ストレージに比べて全体的に2倍近く速くなりました。
これなら SSD に慣れている / 今後慣れるユーザーにも納得いただける速度ですが、きちんと考えなければならない点がいくつかあります。


まずは何より「コスト」
Fusion-io を全部のサーバーに入れるのは非現実的であり、マスタ領域のみに使うのが "適材適所" と言えます。
(そんなに予算が潤沢なら、ストレージに SSD を入れて階層化しますよね...)
 

次は「共有ストレージ」
VMware View の場合、マスタ(レプリカ)は他のサーバーから共有アクセスできる必要があります。これに対して Fusion-io はローカルディスクなので、装填するサーバー側で iSCSI なり NFS なり喋らせなくてはなりません。
Windows iSCSI TargetLinux NFS などが思い浮かびますが、VDI でストレージが止まるのはクリティカルなので無停止冗長は必須。Active-Passive だとせっかく Fusion-io がもったいないので Active-Active で I/O できるものを選びましょう。


こんな感じで Fusion-io 使えば、400万円以下で 10,000 IOPS 以上の超高速 SAN ストレージを簡単に用意できます。何かしら工夫のいるシングルイメージでの I/O 偏り。私の所属会社やその世界中のパートナー様はこんな方法で解決しています。


※ 上記動画はあるイベント用に撮影したものです。少し古いのですが反響が大きかったのでブログにも載せてみました。



2013.02.08 いくつか質問があったので追記します。
Fusion-io 一式でどれくらい耐えられるか?
ioDrive2 自体は 30万 IOPS 出るようですが、SAN 化するソフトウェアによる減衰や、アクセスパスの帯域がボトルネックになります。結局、環境次第なのですが「一式あたり 1,000〜2,000 VMs」程度にしておかないとせっかくの性能が落ちてきてしまうと思います。
SAN ストレージ用の SSD が高いなら HDD のスピンドル増やすのは?
HDD は 15,000 回転でも 150 IOPS しか出せず、10,000 IOPS 出すには RAID とコントローラーキャッシュを考慮しても 100 近い個数が必要になります。100 個の HDD を使って単一の LUN を構成できたり、たった 50GB 程度のデータを大量の HDD で綺麗に分散配置できるストレージはなかなか見ないです...