Windows Server 2012 / 2012R2 Hyper-V の SR-IOV 対応状況
Windows Server 2012 がまだ RC だった8カ月前、Hyper-V の新機能である SR-IOV について構築手順を 記事 にしました。
その後、Windows Server 2012 は製品出荷されて半年が経ち、最近ではお客様側から "SR-IOV" を指定されるケースも増えてきました。指定理由は色々あるのですが、分かりやすい例を挙げると下記です。
仮想サーバーでの Lync Server の実行
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/gg399035.aspx
ネットワーク アダプター: 1 GbE または 10 GbE アダプター 2 台以上。
最適なパフォーマンスを得るには、シングルルート I/O 仮想化 (SR-IOV) に対応したホスト サーバーで Windows Server 2012 を使用することをお勧めします。
こんな感じでミドルウェア側から指定・推奨され、今後も増えると思われる SR-IOV ですが、ハードウェアの力を借りて CPU 使用率や転送遅延を下げることから、大きく分けて下記のパーツが SR-IOV に対応している必要があります。
実際には、対応ハードウェアであっても、ファームウェアやデバイスドライバの対応も必要であり、サーバーベンダーが本気で取り組まないと利用できないケースが多いため、各社の状況を集めてみました。
- Cisco
Cisco UCS Manager VM-FEX for Hyper-V GUI コンフィギュレーション ガイド
http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/docs/UCS/UCSMGR/... - Dell
Dell Supported Platforms for Windows Server 2012 SR-IOV Feature
http://en.community.dell.com/techcenter/os-applications/w/... - Fujitsu
SR-IOV によりCPU負荷を減少して仮想マシンのネットワーク性能を向上*1
http://jp.fujitsu.com/platform/server/primergy/software/windows/... - Hitachi
日立製サーバでは、仮想ファイバーチャネルアダプター、
およびNICのSR-IOV(Single Root I/O Virtualization)機能はサポートしていません。
HA8000シリーズシリーズでSR-IOV機能サポートするLANデバイスは、GQ-CN7841、GQ-CN7823、GQ-CN7824、GQ-CN7M1Tのみとなります。 また、SR-IOV機能設定したLANデバイスのNICチーミング機能は未サポート...*2
http://www.hitachi.co.jp/products/it/windows_os/support/ws2012r2/... - HP
HP ProLiantサーバー向け Microsoft Windows Server 2012 SR-IOV 設定ガイド
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/whitepaper/... - IBM
※対応情報を見つけられませんでした - NEC
Express5800シリーズでは、現時点ではSR-IOV機能に対応しておりません。*3
http://support.express.nec.co.jp/os/w2012r2/hyper-v.html#notice
※ 各社のアップデートを発見された方は、コメント欄でご連絡いただけると嬉しいです。記事更新します。
ネットワークベンダーでもあり VM-FEX や VEB/VEPA など SR-IOV の先 を見ているからか、日本語で手順書まで公開している Cisco, HP。
対して「現時点では対応しておりません」という NEC, 日立さん。
どちらが正しいかは私には分かりません。
"データセンターネットワーク" をどのくらい重要視しているかもありますが、やはりワールドワイドで検証施設を持っている外資ベンダーの方が対応が早く、情報量も多いように思います。調べてて、ベンダー依存で話題になった「Hyper-V + NIC Teaming」を思い出してしまいました。
2015.3.7 更新
日立さんの HA8000 サーバーが NIC Teaming はサポート外ながら SR-IOV をサポートしたそうです(Miem さん、ありがとうございます!)。1〜2年遅れてですが、国産ベンダーも SR-IOV に対応する方向で動いているみたいですね。
次回は、SR-IOV つながりで vSphere 5.1 での SR-IOV 構築手順 についてまとめてみようと思います。