VMware vSphere 5.1 の SR-IOV 構築手順 - (1) ハードウェアの設定
昨年、Windows Server 2012 Hyper-V における
SR-IOV (Single Root IO Virtualization) の構築方法をご紹介しました。
SR-IOV とは、通常ハイパーバイザー側にソフトウェア実装される「仮想スイッチ」機能を NIC の中に内蔵するという技術です。Intel-VT の NIC 版みたいなイメージ。
のように、仮想スイッチのデメリットを克服したシステムを実現できます。
実際 アプリ側が仮想化の条件として推奨し始めている ほか、10Gbps ファイルサーバーやバックアップサーバーといった I/O 系の仮想化 で非常に注目されています。但し、SR-IOV はゲスト側でチーミングが必要になるなど、正直使いづらい部分もあるため、アーキテクチャーの正しい理解が必要です。
基本的には、かなりエンタープライズな仮想化システムでの使われる技術ですが、この領域で最多のインストールベースを誇る VMware vSphere も、Hyper-V とほぼ同時期に出荷した最新のバージョン 5.1 で SR-IOV をサポートしました。
VMware が選択される7つの理由 P.13 より。表示領域の都合で一部割愛しています。
ハードウェア側で SR-IOV を有効にする
それでは、実機を使って SR-IOV を設定していきたいと思います。
仮想化では、ハイパーバイザーに搭載される「仮想スイッチ」にを利用するのが通常ですが、SR-IOV はこれを利用せず、対応 NIC に内蔵されているハードウェアベースの仮想スイッチを使うことで、処理をオフロード・高速化するものです。
したがって、まずはハードウェア側で SR-IOV を有効化することが必要です。
サーバー
下記3点を有効化します。パラメーター名などは各社・機種ごとに異なりますので、各社へお問い合わせください。
NIC / CNA
SR-IOV を有効化します
これらの設定は ESXi をインストールしてしまった後でも大丈夫です。
なお、対応サーバーでも、装着する PCIe スロットによって SR-IOV を利用できないケースがあるようです。うまく動かないようであればスロットを変えて試してみると良いかもしれません。