Windows Server 2012 ODX 機能の使い勝手 - (2) ネットワーク越しでも OK
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前回 のとおり、OS レベルでの実装により、日常のエクスプローラー操作でも効果を発揮する ODX。
個人的にはこれだけでも素晴らしいと思うのですが、驚いたのは利用シーンがとても幅広いということです。
ODX がサポートされる環境の例
言葉では分かりづらいため ODX を利用できる例を図示してみたいと思います。
ODX は LUN レプリケーションではないので、
LUN 間はもちろん、LUN 内のファイルコピーでも OK です。
移行元や移行先は Hyper-V のレイヤを挟んでいても OK
仮想ディスク (VHD, VHDX) や CSV 環境もサポートします。
ソースとターゲットが共にリモート越し、
つまりストレージをマウントしていない PC からの実行もサポートされます。
せっかくですので、このシナリオを撮影した動画を YouTube にアップしました。
2台の CIFS ファイルサーバー間のコピーを、SAN ストレージに接続していない Windows 8 マシンから行っています。600 MBytes/sec 以上も出しているのにもかかわらず、CPU もディスクもネットワークも使用率はほぼゼロです。
予想以上に様々なシーンで恩恵を受けられることが分かると思います。
「転送時間」や「ホスト負荷」といった、従来の様々な課題(足かせ)から解消すると思うと、夢が広がりますね!
現時点で利用できるストレージは?
あまりに期待が膨らみすぎるのも良くないので、
ここからは少し現実に戻り、ODX を利用する際の諸条件について触れていきます。
前回 解説したとおり、Windows ホストは 「このアドレスからこのアドレスまでのブロック(ファイル)を自身でコピーしろ!」 という命令を SCSI コマンドに載せて送ります。この命令を解釈し、適切に処理できるストレージが必要です。
といっても、コマンド自体は T10 で標準化されたものですし、同等技術である VMware VAAI に対応したストレージであれば、ファームウェアをちょっと改良するだけで対応できるはず。
下表のとおり、現在売れ筋のストレージは既に対応していますし、ほかのストレージも開発中です。また、一部のメーカーは内蔵 RAID コントローラーに ODX 機能を搭載しようと計画しています。
製品ファミリ | ファームウェア | 対応月 |
---|---|---|
Dell EqualLogic PS | Firmware 6 〜 | 2012/09 |
HP StoreServ / 3PAR | 3PAR OS 3.1.2 〜 | 2012/12 |
EMC VNX | VNX OE 32/7 MR1 〜 | 2013/02 |
NetApp FAS (C-Mode?) | Data ONTAP 8.2 〜 | 2013/05 ? |
EMC VMAX | 計画中 | |
HP StoreVirtual / Lefthand | ||
Fujitsu | ||
IBM | ||
NEC |
ただ、1点だけ注意しなければならないことがあります。
ホストやストレージパスの負荷は確かに減りますが、
ストレージに掛かる仕事量は一切減らない ということです。
1つの仕事を 1/10 の時間で終わらせたということは、10 倍頑張って仕事をしたということ、つまりストレージには 10 倍の負荷が掛かっています。
VAAI FullCopy とは違い、ODX は日常的に使われます。
次回以降で説明しますが、WS2012 は既定でできる限り ODX を使おうとします。
ODX をリアルタイム重複排除などと併用すればコピーは行われませんが、
これはこれで色々と課題がありますので、、、
といった、何らかの対処方法を持つものを選ぶべきだと思います。
引き続き 次回 も ODX の要件と制約について記載します。