仮想化でプリセールスしてるSEの一日

VMware から Azure まで、インフラや仮想化の最新情報をベンダー色をできるだけ抑えて綴っていきます

仮想環境で 3D CAD や GPU コンピューティング!

仮想化が流行っているのはもちろんですが、それと同時に昨今では「OpenCL」といった GPU コンピューティングも流行っています。

GPU コンピューティングでは、グリッド的な利用も多く、CPU の力はあまり利用しないため「仮想化したい」という要望もありますが、仮想化するとハイパーバイザーが間に入ることにより GPU の力を得られなくなります。

この分野は、各社独自対応を進めていて、各社のアプローチまとめると次の3つ。

  • CPUエミュレーションで強引に処理
    • VMware vSphere 5 以降
    • (長所)GPU 不要、複数の仮想マシンで利用できるので VDI 向き
    • (短所)CPU に負荷がかかる、OpenCL は今のところエミュレーション非対応
  • 1つの GPU を共有利用
    • MS Hyper-V 2.0 SP1 以降
    • (長所)CPU に負荷を掛けない、複数の仮想マシンで利用できるので VDI 向き
    • (短所)GPU 必要、あまり性能は良くない(GPU のオーバーヘッドが大きい)
  • VT-d/IOMMU を利用して GPU をそのままパススルー
    • VMware vSphere 5 以降 (※)、Citrix XenDesktop 6.0 以降
    • (長所)CPU に負荷を掛けない、OpenCLGPU の性能をフルに発揮できる
    • (短所)GPU が 1VM あたり 1個 必要


VMware vSphere 5 の VT-d/IOMMU (VMDirectPath I/O) は GPU パススルーを正式サポートを明示されていませんが、最近 VMware 社のブログで設定方法が公開されています。nVidia CUDA や OpenCL の動作を確認したとのこと。

GPGPU Computing in a VM - VMware VROOM! Blog
http://blogs.vmware.com/performance/2011/10/gpgpu-computing-in-a-vm.html

3D CAD は?(13:00追記)

CAD について書き忘れました。。。
とりあえず 2D CAD については GPU をほぼ使わず、CPU のみで処理するため全く問題ありません。

3D CAD については、どのくらい本格的な 3D CAD をするかということになります。例えば、高校や教養・文系大学の授業で利用するような 3D CAD であれば、下記の事例のように CPU だけの処理でも十分かと思います。

仮想化環境への3次元CAD導入を機に、ITリソース増強を実施 - 東京都立府中工業高等学校が「VMware View4.6」による仮想デスクトップ環境を増強
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/casestudy/fuchukogyo/


上記事例は DirectX 無しで頑張ってますが「VMware View 5 + vSphere 5」 であれば、サーバーに GPU を載せなくても上記のとおり 3D エミュレーションができますのでより高度な CAD 製品にも対応できるかと思います。

もちろん、自動車設計とか超本格的な 3D CAD は無理ですが...