仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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VDI と Microsoft VDA ライセンス - (5) 2012/04 時点の情報まとめ

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ちょうど1年前に、本ブログで「Windows VDA」について記事を書いたのですが、VDA については @IT の連載などでもフィードバックが多いため
今日現在の情報をまとめておきます。

必要なライセンス

VDI で必要になる主なライセンスは下記のとおりです。

  1. Windows Server 2008 CAL
    • 既存で所有している場合は不要。
  2. VDI ブローカーライセンス
  3. VDI 仮想 PC ゲストライセンスWindows 7 など)


ここでのポイントは VDI を利用するにあたって
必ずしも高価な VDA というわけではなく、接続元 OS 次第ということです。



Windows SAWindows IntuneWindows VDA
年間コスト *4 *5〜 7,200 円〜 14,760 円〜 14,760 円
契約期間3年間1年間3年間
クラウド型の資産管理ツール××
Windows Thin PC 利用権
接続元が Windows 7, Vista, XP
接続元が Windows Thin PC
接続元が Windows Embedded××
接続元が Linux, MacOS××
接続元が iOS, Android, BlackBerry *6××
接続元が HP ThinPro, Wyse ThinOS××
接続元がゼロクライアント××

また、上表は DaaS といった VDI 型のデスクトップクラウドでも必要であることにご注意ください。料金表の備考欄に「別途 SA/VDA 等の契約が必要」の旨の記載があるはずです。
利用者がクラウドプロバイダーを介さず Microsoft と直接契約が必要なのは VDA 権に SPLA が用意されていないためなのですが、これを守らないと こちら のようになってしまいます。


Windows SA 誤解と VDA が高い理由

最も安価な Windows SA ですが、お客様と会話する中で誤解が多いように感じています。それは、「SA の契約対象は PC ではなく OS である」ということです。

SA は一種の保守契約です。これは PC を保守するものではなく、ごく普通の Windows Client OS ライセンスに対するソフトウェア保守に近いものになります。
つまり、PC / Slate PC / Tablet / Netbook など、形状は一切関係なく、保守対象である普通の Windows かどうかが加入基準になります。逆に、同じ筐体であっても、AndroidLinux OS モデルは当然ながら加入できません。

シンクライアントやゼロクライアントが NG なのは、HDD が無いからではなく、Embedded OS だったり Linux だったり、保守できる OS では無いためです。
これが理解できると、VDA のコストが高い理由(SA にゲストの Windows OS コストが加わるから)が理解できると思います。


SA への加入は、○○後 90 日以内??

また、この誤解は、SA の加入可能期間にもつながっています。
SA は 「PC 購入後 90 日以内に加入可能」と説明されることがありますが、正確には 「OS ライセンス購入後 90 日以内」“原則” です。
したがって、PC 自体は古くても、OS 単品やアップグレード版を購入すれば、再度 90 日以内に SA に加入できます。

なお、どうしても SA を契約できなかった場合、Windows Intune であればいつでも契約可能で、しかも1年で解約もできるそうです。


PC と ThinClient の混在環境は? シフト制で複数人が同じ PC 使ったら?...

次の資料に色々なシナリオが解説されています。参考にしてみてください。

Microsoft Volume Lisencing - デスクトップ仮想化ライセンス ガイド
http://download.microsoft.com/download/F/8/1/F8199620-6205-4E27-86F5-2F24CAEFFDC0/SA_Customer_Virtual_Desktop_Brochure_JP.pdf


→ 1 年経って、また VDA について書いてみました(2013 年 12 月編

*1:XenDesktop を Hyper-V と組み合わせる場合は VDI Suite も必要

*2:XenDesktop を VMware と組み合わせる場合は vSphere や vCenter も必要

*3:ブローカーなどの管理 DB 用。SQL-CAL はホスト+ゲストの総数が必要になるため、通常はプロセッサコアライセンス。

*4:250 台を超えるとボリュームディスカウント "Select"

*5:代理店によって若干の差異あり

*6:ローミング利用権も参照 http://www.microsoft.com/japan/virtualization/licensing/VDA.mspx