仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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VDI と Microsoft VDA ライセンス - (6) Windows Server で VDI その1

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この Blog は技術系ブログのつもりなのですが、「VDA」という単語で訪れている方も多いらしい。
独り善がりなブログでは良くないですので、ニーズに応えて最近の VDA 話を2回にわたってご紹介したいと思います。

やっぱり VDA は高い

これまでにご紹介したとおり、一般的な VDI で必要となる VDA や SA は、使用料をずっと支払い続けなければならないサブスクリプション型」のライセンスです。さらに、基本的に3年間は契約を終了できません。
もちろん、それでもコスト的に安ければ問題ありませんが、
実際のところは5年間で 50,000〜60,000 円も掛かります。
これには Office の費用が含まれておらず、それも考えると大変なコストです。


月額の VDA (SA) を利用せず「買い切り型」ライセンスで VDI を利用する

よって、これまで 「どうにか VDA を使わないで済む方法はないか?」 について至るところで議論が繰り広げられていました。


そこで良く議論されるのが以下の方法です。


Windows 7 に見えますが、これは Windows 7 ではありません。


見た目が Windows 7 そっくりな Windows Server 2008 R2


これは、Windows Server OS の標準機能である「デスクトップエクスペリエンス」を有効にすることで実現しています。


デスクトップ エクスペリエンスの概要 - Microsoft TechNet
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc772567.aspx


見た目は Windows 7 と瓜二つ。
最大の特長は「VDA などのサブスクリプション型のライセンスは一切不要である」ということです。


サーバー仮想化の見積を思い出してください。
Windows Server の Datacenter エディションは、
Windows Server OS であれば仮想マシンに無制限にインストール・実行できます。

その Windows Server Datacenter のライセンスは、2012 R2 より 20〜30% 値上がりしてボリュームライセンス版だと 120 万円 くらいになっていますが、サーバーと同時購入(OEM 版)の場合ば定価で 50〜60 万円程度。

これを、昨今の平均的な VDI 集約率 120 ユーザー*1 で割ると、
1 ユーザーあたり買い切り型で 5,000 円 になります。


実際には Windows Server CAL や RDS-CAL*2 も必要であり、こちらもサーバーと同時購入 (OEM) であれば、各々定価で 4,000〜5,000 円、9,000〜12,000 円。


つまり、VDA に代わる Windows OS ライセンスは
「1 ユーザーあたり定価で 22,000 円、しかも買い切り」といった形になり、
VDA のたった2年分の費用だけで済んでしまうのです。


次回 は、この抜け道が「実際どうなの?」について触れたいと思います。

*1:今年9月に発表された Xeon E5-2600 v2 (Ivy Bridge) でコア数が一気に 1.5 倍になったこともあり、メモリ容量にもよるものの、100〜160 ユーザーが一般的になりました。

*2:http://vdesktops.blogspot.jp/2013/11/windows-server-osvdioscal.html