仮想化でプリセールスしてるSEの一日

VMware から Azure まで、インフラや仮想化の最新情報をベンダー色をできるだけ抑えて綴っていきます

vSphere 4.1 リリースよりも重要な VMware の発表 (2)

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一昨日 の続きです。


Service Console が無くなつというのは、つまり 4.1 の次の VMware ESX は ESXi に一本化し、従来の ESX Classic *1 は無くなるということです。


VMware 社の Web サイト上でも警告がされています。*2

vSphere 4.1 and its subsequent update and patch releases are the last releases to include both ESX and ESXi hypervisor architectures. Future major releases of VMware vSphere will include only the VMware ESXi architecture. For this reason, VMware recommends that deployments of vSphere 4.x utilize the ESXi hypervisor architecture.

http://www.vmware.com/products/vsphere/esxi-and-esx/


ですので、新規システムは今後 ESXi で導入していくべきなのですが、ESXi については本当に多い誤解があります。 ESXi は無償版ESXを指すわけでも、USB版ESXを指すわけでもありません。
ESXi は 「Service Console の無い ESX」 のことで、下図のとおり Standard 以上の ESX のライセンスキーを入れれば、ESXi でも vCenter で管理したり VMotion を利用することができます。
また、USBだけでなくSDカード*3や普通のHDDにインストールすることも可能です。



2011年に ESXi に一本化されることは ESXi の登場当初から言われていたのですが、ほとんどのユーザーが ESXi を使わず、使い勝手や色々なソフトウェア連携の兼ね合いで Service Console のある ESX Classic を選択していたと思います。

Service Console は RHEL5/CentOS ベース *4 でしたので、これらのベースOSに対応した 3rd Party 製の各種Agent (統合管理ツールのAgentとか、UPSソフトのAgentとか、バックアップソフトのAgentとか...) を入れたり、スクラッチスクリプトを書いていた方は、運用方法を見直すまで来年リリースの vSphere 5 (?) へアップグレードできなくなりそうです...


また、ソフトウェア連携よりも、ネットワーク構成の変更の方が重要かもしれません。ESX Classic では、VMkernel と Service Console が別々なOSとして動いていましたのでそれぞれIPアドレスを別にしたり、異なったデフォルトゲートウェイを設定可能でした。
Service Console がない ESXi では、vCenter 通信と VMotion/iSCSI 通信が一つの VMkernel 上で行われますので、ネットワーク構成に少なからず制約がついてしまうと思います。


VMware 社は ESXi への移行を速やかに行ってほしいようで ESXi Migration Center日本語版)や ESXi 移行ガイド なるものも立ち上げています。また、ESXi にはサービスコンソールこそありませんが、近い機能をゲストOSとして実現する 「vMA」 というのもありますので、移行先として使えるかもしれません。(以前 ITpro に書いた vMA の説明記事。vMA は確か RHEL5/CentOS ベースです

*1:VMware社内では iPod nano / iPod Classic に見立てて ESXi / "ESX Classic" と呼んでいるそうです。

*2:2010.8.9 追記

*3:一部ベンダーのみ

*4:ESX3.5 までは RHEL3 U6 or U9