仮想化でプリセールスしてるSEの一日

VMware から Azure まで、インフラや仮想化の最新情報をベンダー色をできるだけ抑えて綴っていきます

vSphere 4.1 リリースよりも重要な VMware の発表 (3)

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先ほど 書き忘れてしまったのですが、VMware Consolidated Backup (VCB) も vSphere 4.1 で終了するらしいです。(vSphere 4.0 で終了するアナウンスも流れた のですが、結局 4.1 もサポートしてくれました)


VCB の移行プランは、ほぼ同等な機能である vStorage API というものが vSphere 4.0 から実装されています。VCB と vStorage API の根本的なエンジンは全く一緒です。どのくらい一緒かというと、いわゆる「スナップショットのマージ時にゲストOSがフリーズする」問題も含めて一緒です...

結局、従来 vcbMounter などのコマンド & WSHベースが、APIベースに変更されただけであり、BackupExec などのバックアップソフト経由でVCBを利用していた場合、vStorage API の移行はバックアップソフト側で既に対応してくれているので特に問題はありません。

逆に困るのは、スクラッチスクリプトを書いていた人です。コマンドベースのスクリプトから SDK ベースのプログラムになるので、敷居が一気に上がります。運用担当者では書き換えは難しいかもしれません。しかし、その反面として戻り値などはオブジェクトで返ってくると思うので、コマンドベースより高度なトラップ処理が可能になるでしょう。

vStorage API のメリットとしては、このAPIを利用した VMDR (VMware Data Recovery) という簡易バックアップソフトが、ESXの中位グレード以上から無償バンドルされています。特徴的なのは、VMDRのバックアップサーバーが OVF 仮想アプライアンスで提供されているということです。テープにバックアップできませんが...


Service Console 廃止にしても VCB 廃止にしても、ある程度の移行工数(痛み)は伴うわけですが、VMware FT のように革新的な技術を常にマーケットに投入していくためには、仕方ないことなのかなと思っています。

古い家をリフォームや増改築するだけでは、水回りなどの基礎部分は改善できないように、最新技術に刷新していくためには、いったん更地にして基礎部分から丸ごと建て直さないと無理だと感じるからです。

移行期間や移行プランを設けてくれている VMware 社は、かなりマシだと思っています。世の中には移行プランも提示しないでいきなり終了する製品もありますので...